海面水温・海流(日本海)
平成28年12月9日発表
日本海海洋気象センター
診断(2016年12月上旬)
- 海面水温は、日本海中部では平年より2℃以上高い海域が広がりました。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(12月8日)
解説
海面水温
12月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1〜1.5℃低下する時期ですが、冬型の気圧配置が続かなかったことや、朝鮮半島東方では下層の暖水の影響で、日本海中部を中心に海面水温が平年ほど低下しませんでした。その結果、日本海中部では海面水温が平年より2℃以上高い海域が広がりました。日本海北部では海面水温が平年より低い状態が続いており、平年よりかなり低い海域もみられます。日本海南部では海面水温が平年並か平年より高い状態が続いています。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。北海道西方では平年より低いでしょう。
海流の実況
2016年12月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯37.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
隠岐の北北東の北緯38.5度、東経134度付近では、暖水域がみられる(図中B)
秋田沖の北緯40度、東経138.5度付近では、暖水域がみられる(図中C)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れている
隠岐の北西の北緯37度付近からは北北東に流れ、北緯39度、東経133.5度付近からは東に流れている
能登半島の北の東経137度付近からは北に流れ、北緯40度付近からは東北東に流れている
秋田沖の北緯40.5度、東経139.5度付近からは北北東に流れて、津軽海峡に達している
若狭湾沖では北緯37度、東経134.5度付近を中心に反時計回りの流れが、朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いか、かなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。