海面水温・海流(日本海)
平成29年2月28日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年2月下旬)
- 海面水温は、日本海南部では平年より高い海域が縮小しました。
- 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(2月27日)
解説
海面水温
2月下旬の日本海は、平年では海面水温の変化が小さい時期ですが、日本海南部では中旬の終わりと下旬の前半で平年より風が強かったため、海面水温が平年より大きく低下しました。その結果、日本海南部では海面水温が平年より高い海域が縮小しました。また、北海道西方と日本海中部の東経135度以西では、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。日本海北部・中部のその他の海域では、海面水温が平年より1℃以上高い海域は縮小しましたが、平年並か平年より高い状態が続いています。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
2017年2月下旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年よりかなり強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯37.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
能登沖の北緯38.5度、東経134.5度付近では、暖水域がみられる(図中B)日本海の海流 対馬暖流は山陰沖西部を北東に流れている
隠岐の北の北緯37度付近からは北に流れ、北緯39度、東経133度付近からは東南東に流れている
能登半島の北の北緯38.5度、東経137度付近からは北に流れ、北緯39.5度付近からは北東に流れ、津軽海峡に達している
山陰沖東部では南東向きの流れが、若狭湾沖では北向きの流れが、朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年よりかなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。