海面水温・海流(日本海)
平成29年3月17日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年3月中旬)
- 海面水温は、日本海北部・中部では海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
- 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(3月16日)
解説
海面水温
3月中旬の日本海は、平年では海面水温の変化が小さい時期ですが、日本海北部・中部では平年より風が弱く、南から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、海面水温が平年より上昇しました。その結果、これらの海域では海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。日本海南部では、海面水温が平年より高い状態が続いています。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、日本海北部では平年並か平年より高いでしょう。日本海中部・南部では平年より高いでしょう。
海流の実況
2017年3月中旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年よりかなり強い
朝鮮半島東方(図中A)と隠岐の北北東(図中B)では暖水域の面積が平年より広いため、対馬暖流の勢力は平年よりかなり強くなっている顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯37.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
隠岐の北北東の北緯38度、東経134度付近では、暖水域がみられる(図中B)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北から東南東に流れ、若狭湾沖からは北に流れている
隠岐の北北東では北緯38度、東経134度付近の暖水域を時計回りに流れ、北緯39度、東経135度付近から東北東に流れ、佐渡沖の北緯39.5度、東経137.5度付近からは東南東に流れている
酒田沖の北緯39度、東経139度付近からは北に流れ、秋田沖の北緯40.5度付近からは北東に流れて、津軽海峡に達している
朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年よりかなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。