海面水温・海流(日本海)
平成29年4月28日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年4月下旬)
- 海面水温は、日本海中部・南部では平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(4月27日)
解説
海面水温
4月下旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が0.5~1℃上昇する時期ですが、今旬は1℃以上上昇したため、日本海北部では海面水温が平年より低い海域が縮小し、日本海中部・南部では海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。特に日本海北部では、日照時間が平年より多かったことが原因の一つと考えられます。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年より高いでしょう。北海道西方は平年並でしょう。
海流の実況
2017年4月下旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い
朝鮮半島東方(図中A)と能登半島の北(図中B)では暖水域の面積が平年より大きいため、対馬暖流の勢力は平年より強くなっている顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯37.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
能登半島の北の北緯38度、東経137度付近では、暖水域がみられる(図中B)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北から東南東に流れ、若狭湾沖からは北に流れ、能登沖の北緯38.5度付近からは東北東に流れている
秋田沖の北緯39.5度、東経139.5度付近からは北北西に流れ、檜山沖を時計回りに流れて、津軽海峡に達している
朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。