海面水温・海流(日本海)
平成29年5月19日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年5月中旬)
- 海面水温は、日本海中部・南部のほぼ全域で平年より1℃以上高い状態となりました。
- 対馬暖流の勢力は、平年並となっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(5月18日)
解説
海面水温
5月中旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1℃程度上昇する時期ですが、日本海中部・南部では、平年より日照時間が多く風が弱かったため、海面水温が平年より大きく上昇しました。そのため、ほぼ全域で海面水温が平年より1℃以上高い状態となり、平年よりかなり高い海域も拡大しました。日本海北部では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が縮小しました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。北海道西方は平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
2017年5月中旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年並
5月上旬は平年より強い勢力であったが、朝鮮半島東方の暖水域が縮小したことなどから平年並となった顕著な暖水・冷水 能登半島の北の北緯38.5度、東経137度付近から秋田沖にかけて、暖水域がみられる(図中A) 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、若狭湾沖からは北に流れ、能登沖の北緯38.5度付近からは東北東に流れている
秋田沖の北緯39.5度、東経139.5度付近からは北に流れ、北緯40.5度付近からは北東に流れ、津軽海峡に達している
朝鮮半島東方及び檜山沖では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年並でしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。