海面水温・海流(日本海)
平成29年5月31日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年5月下旬)
- 日本海中部・南部では、平年より高い状態が続いています。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(5月30日)
解説
海面水温
日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い状態が続いています。東経135度以東では海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しましたが、朝鮮半島東方では、北よりの風が強かったため、平年より2℃以上高い海域が縮小しました。
日本海北部では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、日本海北部は平年並か平年より高いでしょう。日本海中部・南部は平年より高いでしょう。
海流の実況
2017年5月下旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い
能登半島の北から秋田沖にかけて(図中A)は、暖水域が平年より北に張り出している顕著な暖水・冷水 能登半島の北から秋田沖にかけて、暖水域がみられる(図中A) 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を東北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、若狭湾沖からは北に流れ、能登沖の北緯39度付近からは東北東に流れている
秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近からは北西に流れ、北緯40.5度付近からは北東に流れ、津軽海峡に達している
檜山沖では時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。