海面水温・海流(日本海)
平成29年7月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年7月上旬)
- 海面水温は、日本海中部・南部では平年よりかなり高い海域が拡大し、北海道西方では平年並となりました。
- 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(7月9日)
解説
海面水温
7月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1.5℃程度上昇する時期ですが、南よりの風により暖かく湿った空気が流れ込んだため、海面水温は平年より大きく上昇しました。そのため、日本海中部・南部では海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。北海道西方では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられなくなり、平年並となりました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年よりかなり高いでしょう。
海流の実況
2017年7月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年よりかなり強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯37度、東経130.5度付近及び北緯39度、東経131度付近では、それぞれ暖水域がみられる(図中A)
隠岐の北の北緯38.5度、東経133.5度付近では、暖水域がみられる(図中B)
若狭湾沖の北緯37.5度、東経135.5度付近では、冷水域がみられる(図中C)
能登沖の北緯39度、東経136.5度付近では、暖水域がみられる(図中D)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北からは南東に流れ、若狭湾沖を北に流れている
能登沖の北緯39.5度付近からは東南東に流れ、北緯39度、東経138度付近で北に向きを変え、北緯40度付近からは東北東に流れ、津軽海峡に達している対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年よりかなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。