海面水温・海流(日本海)
平成29年9月8日発表
日本海海洋気象センター
診断(2017年9月上旬)
- 海面水温は、秋田沖から山陰沖にかけては平年より高い海域が縮小しました。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(9月7日)
解説
海面水温
9月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が0.5℃程度低下する時期ですが、秋田沖から山陰沖にかけては旬のはじめの北よりの風の影響により、この10日間で海面水温が平年より大きく低下したため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、おおむね平年並となりました。
日本海北部では海面水温が平年より1℃以上低い海域が拡大しました。
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
2017年9月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯38度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
檜山・津軽沖の北緯40.5度、東経139度付近では、暖水域がみられる(図中B)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近から北北東に流れ、北緯39度、東経133.5度付近から東南東に流れている
能登半島の北の北緯38度、東経137度付近から北に流れ、佐渡沖の北緯39.5度付近から東に流れ、秋田沖の東経138.5度付近から北に向きを変え、檜山・津軽沖を時計回りに流れて、津軽海峡に達している
若狭湾沖には反時計回りの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。