海面水温・海流(日本海)
平成30年8月20日発表
日本海海洋気象センター
診断(2018年8月中旬)
- 日本海北部では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が広くみられるようになりました。日本海南部では、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(8月19日)
解説
海面水温
日本海北部では、平年より日射量が少なく、北よりの風が強かったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が広くみられるようになりました。日本海南部では、寒気により、海面水温が平年より高い海域が縮小し、秋田沖から山陰沖東部では平年より低い海域がみられるようになりました 。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、日本海北部の海面水温は、平年並か平年より低いでしょう。日本海南部の海面水温は、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
2018年8月中旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯38.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
若狭湾沖の北緯36.5度、東経135.5度付近では、冷水域がみられる(図中B)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を東北東 に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133.5度付近から東南東に流れ、若狭湾沖の北緯36度、東経135.5度付近から北北東に流れている
能登沖の北緯38.5度、東経136.5度付近から東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41.5度付近から東に流れて津軽海峡に達している
山陰沖東部では岸沿いの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強いか、かなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。