海面水温・海流(日本海)

平成30年10月10日発表
日本海海洋気象センター

診断(2018年10月上旬)

  • 日本海北部では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。
  • 対馬暖流の勢力は、平年よりかなり弱くなっています。

日本海の海面水温平年差分布図および深さ100mの水温分布図(10月9日)
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(10月9日)

左図は海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

右図は深さ100mの水温分布図に10℃の平年の位置を赤線で重ね合わせて示しています。 10℃の平年の位置は、1982~2010年の29年間の旬別平均値から算出したものです。 図中の記号は顕著な暖水域および顕著な冷水域を示しています。

左図の海面水温平年差および右図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

日本海北部では、暖かく湿った空気に覆われたため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

日本海中部・南部では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、日本海北部の海面水温は、平年より高いでしょう。日本海南部の海面水温は、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況

2018年10月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。

表:日本海の海流の実況
項目 実況
対馬暖流の勢力 平年よりかなり弱い
顕著な暖水・冷水 山陰沖の北緯37.5 度、東経132.5 度付近では、暖水域がみられる(図中A)
山陰沖の北緯37.5 度、東経134.5 度付近では、冷水域がみられる(図中B)
能登沖の北緯39 度、東経135.5 度付近では、暖水域がみられる(図中C)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北東の北緯36.5 度、東経133.5 度付近から南東に流れ、山陰沖東部の北緯36 度、東経134.5 度付近から北東に流れ、能登半島の西の北緯37.5 度、東経136.5 度付近から北北東に流れている
能登沖の北緯39.5 度、東経137 度付近から東に流れ、秋田沖の東経139.5 度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41 度付近から東に流れて津軽海峡に達している

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より弱いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

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