海面水温・海流(日本海)
令和元年5月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2019年5月上旬)
- 日本海北部では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域はほとんどみられなくなりました。
- 日本海中部・南部では、引き続き広範囲で海面水温が平年より高くなっていますが、津軽沖から能登沖ではおおむね平年並となっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(5月9日)
解説
海面水温
日本海北部では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域はほとんどみられなくなりました。これは、南からの暖かく湿った空気の影響に加え、平年より日射量が多かったためと考えられます。
日本海中部・南部では、引き続き広範囲で海面水温が平年より高くなっていますが、津軽沖から能登沖ではおおむね平年並となっています。
海面水温の今後の見通し
日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。
日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
海流の実況
2019年5月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年よりかなり強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯39度、東経129度付近では暖水域がみられる(図中A)
朝鮮半島東方の北緯37.5度、東経131.5度付近では、暖水域がみられる(図中B)
日本海南部の北緯37.5度、東経134度付近では、暖水域がみられる(図中C)
佐渡沖の北緯38.5度、東経137.5度付近では、暖水域がみられる(図中D)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133.5度付近から若狭湾沖を反時計回りに流れ、山陰沖東部の北緯37度、東経133.5度付近から北に流れ、日本海南部の北緯38度付近から東に流れ、能登沖の東経136度付近から北東に流れ、佐渡沖の北緯40度、東経137.5度付近から東に流れ、秋田沖の東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41.5度付近から東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れが、朝鮮半島東方では時計回りの流れが、それぞれみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年よりかなり強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。