海面水温・海流(日本海)
令和元年7月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2019年7月上旬)
- 日本海北部では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
- 日本海南部では、海面水温が平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(7月9日)
解説
海面水温
日本海北部では、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
日本海南部では、海面水温が平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。
海面水温の今後の見通し
日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
海流の実況
2019年7月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年並 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯39.5度、東経129.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
日本海南部の北緯38度、東経132度付近では、冷水域がみられる(図中B)
能登沖の北緯37.5度、東経135.5度付近では、冷水域がみられる(図中C)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133度付近から北に流れ、日本海南部の北緯38.5度付近から東に流れ、東経134.5度付近から南南東に流れ、能登沖の北緯37.5度、東経135度付近から反時計回りに流れ、北緯37.5度、東経136.5度付近から北北東に流れ、佐渡沖の北緯39度、東経137.5度付近から東に流れ、酒田沖の東経139.5度付近から北に流れ、北緯41.5度付近から東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並か平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。