海面水温・海流(日本海)

令和元年8月9日発表
日本海海洋気象センター

診断(2019年8月上旬)

  • 日本海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられるようになりました。

日本海の海面水温平年差分布図および深さ100mの水温分布図(8月8日)
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(8月8日)

左図は海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

右図は深さ100mの水温分布図に10℃の平年の位置を赤線で重ね合わせて示しています。 10℃の平年の位置は、1982~2010年の29年間の旬別平均値から算出したものです。 図中の記号は顕著な暖水域および顕著な冷水域を示しています。

左図の海面水温平年差および右図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

日本海では、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられるようになりました。

海面水温の今後の見通し

日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。

日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年よりかなり高いでしょう。

海流の実況

2019年8月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。

表:日本海の海流の実況
項目 実況
対馬暖流の勢力 平年より弱い
顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯39.5度、東経129.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
日本海南部の北緯37.5度、東経132.5度付近では、冷水域がみられる(図中B)
日本海南部の北緯38.5度、東経134度付近では、暖水域がみられる(図中C)
若狭湾沖の北緯36.5度、東経135度付近では、冷水域がみられる(図中D)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西の北緯36度、東経133度付近から北に流れ、日本海中部の北緯39度、東経133.5度付近から南東に流れ、能登沖の北緯38度、東経135度付近から南に流れ、若狭湾沖の北緯37度付近から反時計回りに流れ、能登沖の北緯37.5度、東経136度付近から北東に流れ、秋田沖の北緯39.5度、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41度付近から東北東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れがみられる

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並でしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

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