海面水温・海流(日本海)
令和2年7月31日発表
日本海海洋気象センター
診断(2020年7月下旬)
- 北海道西方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
- 日本海中部では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
- 日本海南部では、引き続き海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域がみられます。
- 対馬暖流の勢力は、平年並となっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(7月30日)
解説
海面水温
北海道西方では、寒気の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
日本海中部では、平年より日射量が少なかったことと、寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
日本海南部では、引き続き海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域がみられます。
海面水温の今後の見通し
日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。
海流の実況
2020年7月下旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年並 顕著な暖水・冷水 佐渡沖の北緯39度、東経138度付近では、暖水域がみられる(図中A) 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部の北緯35度、東経131度付近から北に流れ、北緯36.5度付近から東南東に流れ、隠岐付近の北緯36度、東経133度付近から北北東に流れ、北緯37.5度、東経133.5度付近から日本海南部を時計回りに流れ、山陰沖東部の北緯37.5度、東経134度付近から東南東に流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経135度付近から南に流れ、北緯36度付近から東に流れ、東経136度付近から北北東に流れ、佐渡沖の北緯39.5度、東経137.5度付近から東に流れ、秋田沖の東経138.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達している
檜山沖から積丹半島沖にかけて、北に向かう流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並か平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。