海面水温・海流(日本海)
令和2年9月10日発表
日本海海洋気象センター
診断(2020年9月上旬)
- 日本海の東経135度以東では、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、中部・南部では平年よりかなり高くなっています。
- 日本海の東経135度以西では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
- 対馬暖流の勢力は、平年並となっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(9月9日)
解説
海面水温
日本海の東経135度以東では、暖かく湿った空気の影響により、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、中部・南部では平年よりかなり高くなっています。
日本海の東経135度以西では、台風第9号、第10号の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。
- 参考情報:台風による水温低下
海面水温の今後の見通し
日本海の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
海流の実況
2020年9月上旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年並 顕著な暖水・冷水 山陰沖西部の北緯36.5度、東経130.5度付近では、暖水域がみられる(図中A)
山陰沖の北緯37.5度、東経133度付近では、冷水域がみられる(図中B)
日本海南部の北緯38.5度、東経134.5度付近では、暖水域がみられる(図中C)日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部の北緯35度、東経131度付近から北に流れ、北緯36度付近から東に流れ、東経132.5度付近から北東に流れ、隠岐の北の北緯37度、東経133.5度付近から時計回りに流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経135.5度付近から北北東に流れ、能登沖の北緯38.5度、東経136度付近から東北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経139.5度付近から北に流れ、北緯41度付近から東北東に流れて津軽海峡に達している
檜山沖から留萌沖にかけて、北に向かう流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年並でしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。