海面水温・海流(日本海)
令和3年5月20日 日本海海洋気象センター発表
診断(2021年5月中旬)
- 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられます。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
日本海の海面水温平年差分布図(左)および深さ100mの水温分布図(右)(5月19日)
解説
海面水温
日本海では、平年より風が弱かった影響により、広い範囲で海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられます。
海面水温の今後の見通し
日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況
2021年5月中旬の日本海の海流の実況は、表のとおりです。
表:日本海の海流の実況 項目 実況 対馬暖流の勢力 平年より強い 顕著な暖水・冷水 朝鮮半島東方の北緯38度、東経132度付近では、暖水域がみられる(図中A) 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、山陰沖東部の北緯36.5度、東経133.5度付近から時計回りに流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経135度付近から北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経136.5度付近から東に流れ、佐渡沖の東経137.5度付近から北東に流れ、酒田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、津軽沖の北緯40.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられる対馬暖流の勢力の今後の見通し
対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強いでしょう。
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。
対馬暖流の勢力について
- 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1993~2017年の25年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。