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海洋大循環モデル

海洋には、海面での風による運動量の補給と場所による海水の密度の違いのために、様々な規模の海水の動き(循環)が存在しています。海水の密度は、海面での熱交換、蒸発、降水や河川からの淡水の流入による水温、塩分の変化、及び海流による海水の移動により複雑に変化します。この複雑な海洋の水温、塩分、海流の状態を表現する手段として「海洋大循環モデル」があります。これは、水温、塩分、海流の変化を物理方程式で表現するものです。海洋に3次元の格子を配置し、海面では大気との運動量、熱、淡水の交換を与え、格子点間では密度や摩擦による海水の運動、それに伴う熱、塩分の移動や拡散などをコンピュータで計算することにより、海洋内部の水温、塩分、海流とそれらの時間変化を各格子点で求めます。

しかし、現実の風、熱、淡水の交換を与えたとしても、現在のモデルで海洋のすべての現象を表現できるわけではありません。現実の海洋をより正確に表現する方法として、モデルによる海洋の状態を、船舶などで観測された海洋内部の水温や塩分に少しずつ修正を加えながら計算する「データ同化」という方法があります。天気予報に使われる大気モデルでもデータ同化を行っています。

「海洋の健康診断表」に掲載している深さ50m、100m、200m、400mの水温や海流分布は、海洋大循環モデルとデータ同化を用いて算出したものです。


日本近海の深さ100mの水温(クリックで拡大)
日本近海の深さ100mの水温

日本近海の海流(クリックで拡大)
日本近海の海流

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