海面水温
海の表面の水の温度を海面水温と呼びます。海面水温は、一般的な傾向として、低緯度(赤道に近いところ)では高く、高緯度(北極や南極に近いところ)では低くなっています。このため、海面水温が同じ場所を線でつなげて図にして見るとほぼ東西に帯状の分布となります。細かく見ると、大気の運動、海流、地表面や海底の地形、地球の回転、日照や季節などの様々な要因によって海面水温は大変複雑な分布をしています。海面水温は、観測が比較的容易で、しかも海流や潮目などの海洋の状態をよく表しているため、気象や漁業などの様々な分野で利用されています。
北西太平洋の海面水温分布
下の図は、北西太平洋における1991年から2020年までの30年間の2月と8月の平均的な海面水温の分布を示しています。
2月の海面水温は、赤道域で28℃〜29℃前後、黒潮の流れに沿った南西諸島、九州、四国から本州南岸にかけては16℃〜23℃程度となっています。東シナ海、日本海中部および本州東方では、水温が水平方向に大きく変化しています。
8月の海面水温は、本州の南岸より南では25℃以上の高い水温となっています。また、本州の東の海面水温は、親潮の冷たい水の影響を受けるため、対馬海流の流れ込む日本海側と比べて低くなっています。千島列島の付近では、深いところから冷たい水が上昇している(潮流により海面下の冷たい海水と混合する)ためかなり低くなっています。