全球の海面水温の変動
令和7年6月16日気象庁発表
(次回発表予定 7月15日)
令和7年6月16日気象庁発表
(次回発表予定 7月15日)
- 太平洋赤道域の海面水温は、東部で負偏差、インドネシア周辺で顕著な正偏差となりました。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は-0.3℃、基準値との差は-0.2℃でした。
- 北太平洋では、フィリピンの東海上~日本の南、日付変更線付近の熱帯および中緯度帯で顕著な正偏差、カリフォルニアの南西海上では顕著な負偏差となりました。
- 南太平洋では、熱帯から中緯度帯の西部、亜熱帯東部および中緯度帯中部で顕著な正偏差となりました。
- インド洋では、ベンガル湾や南半球側で顕著な正偏差となりました。
- 北大西洋では、亜熱帯の西部やヨーロッパの西海上で顕著な正偏差となりました。
- 南大西洋では、中緯度帯で顕著な正偏差となりました。
全球海面水温平年偏差の分布
2025年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1991年〜2020年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
北太平洋では、2010年代後半はおおむね正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が続いていましたが、2020年頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化した月平均海面水温規格化偏差が、+1以上(-1以下)を顕著な高温(低温)現象の目安とし、平年偏差の大きさが0.5℃以上の領域を主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。
海面水温偏差と基準値について
海面水温偏差は平年値からの差で、平年値は1991~2020年の各月の平均値です。NINO.3海域についての基準値は30年前から前年までの30年間の各月の平均値です。 基準値との差のデータはエルニーニョ監視指数のページに掲載しています。