海洋気象観測船による観測(令和4年6月27日~6月29日)

令和4年7月1日 気象庁発表

観測結果

気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」及び「凌風丸」は、6月27日~6月29日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。「啓風丸」は図1のA点~G点の航路に沿って、「凌風丸」はH点~J点の航路に沿って黒潮の観測を行いました。

図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表しています。黒潮の強い流れは、C点(北緯31.4度、3.0ノット)、E点(北緯32.7度、2.2ノット)、F点(北緯34.2度、2.4ノット)およびI点(北緯31.7度、2.4ノット)で観測されました。

図2は、B点~D点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。強い流れが観測された海域(C点付近)では、水温の水平勾配が大きくなっています。

図2では、C点~D点にかけて北緯32度を中心に、等温線が上に凸の構造を示しています。これは、図3で見られる黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響であると考えられます。

また、図2のB点では、100m深付近~400m深付近まで19~20℃の均一な水塊が見られます。これは、図3で示される黒潮の南側に存在する暖水渦の影響であると考えられます。

海流

図1 海洋気象観測船「啓風丸」および「凌風丸」が観測した海流(令和4年6月27日~6月29日)

赤い細実線は啓風丸の航路を、青い細実線は凌風丸の航路を、黒い矢印は海流の速さと向きを表します。
青い太破線は気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした黒潮および暖水渦と冷水渦の位置を示します。

水温

図2 水温の深さ方向の分布

啓風丸による令和4年6月27日~6月28日の観測結果を示します。
図中のB~Dの記号は、図1に対応します。

400m水温

図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和4年6月28日)

海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中のB~Dの記号は、図1に対応します。

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