海洋気象観測船による観測(令和7年2月11日~2月16日)
令和7年2月27日 気象庁発表
観測結果
気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」は、2月11日~2月16日に図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。
図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表します。黒潮の強い流れは、C点(北緯32.7度、東経137.0度、3.5ノット)で観測されました。また、黒潮大蛇行から切離した冷水渦に関連すると考えられる強い流れがD点(北緯30.6度、東経137.0度、2.5ノット)、E点(北緯29.4度、東経137.0度、3.7ノット)で観測されました。
図2は、航路上のB点からF点を結ぶ観測ラインに沿った海洋内部の水温を示します。黒潮の強い流れが観測されたC点(北緯32.7度)付近では水温の水平勾配が大きくなっています。
また、図2ではD点とE点の中間(北緯30度付近)に、海面から深さ700m付近まで水温が周囲よりも低く、等温線が上に凸の水温構造が見られます。この水温構造は、図3で見られる黒潮から切離した冷水渦を観測により捉えたものであると考えられます。
図1 海洋気象観測船「凌風丸」が観測した海流(令和7年2月11日~2月16日)
青色の細実線は凌風丸の航路を、黒色の矢印は海流の速さと向きを表します。
青色の太破線の矢印は、気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした2月14日頃の黒潮および黒潮から切離した冷水渦の位置を示します。
図2 水温の深さ方向の分布
凌風丸による令和7年2月11~16日の観測結果を示します。
図中のB~Fの記号は、図1に対応します。
図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和7年2月14日)
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中の黒太線は図2で示した分布図の位置を示します。図中の記号は、図1、図2に対応します。