海洋気象観測船による観測(令和7年7月3日~7月5日)

令和7年7月10日 気象庁発表

観測結果

気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」は、7月3日~7月5日にかけて、図1の航路に沿って黒潮の観測を実施しました。

図1の黒い矢印は、観測船が観測した海流の速さと向きを表しています。黒潮は、四国沖および東海沖で蛇行しています。黒潮の強い流れは、A点(北緯30.5度、東経134.2度、南東方向、3.6ノット)、B点(北緯31.0度、東経135.0度、北西方向、3.8ノット)、およびC点(北緯32.7度、東経137.6度、南東方向、3.2ノット)で観測されました。

図2は東経133度から東経139度40分の観測ラインの海洋内部の水温を示します。強い流れが観測されたA点(東経134.2度)、B点(東経135.0度)、およびC点(東経137.6度)付近では水温の水平勾配が大きくなっています。また、D点(東経134.5度付近)、E点(東経138度付近)を中心に海面から深さ700m付近まで水温が周囲よりも低く、等温線が上に凸の水温構造が見られます。これらは、図3で示されている、四国沖と東海沖の蛇行の内側の冷水渦を捉えたものであると考えられます。

海流

図1 海洋気象観測船「凌風丸」が観測した海流(令和7年7月3日~7月5日)

青色の実線は「凌風丸」の航路、黒い矢印は海流の速さと向きを表します。
青い太破線は気象庁の数値モデル等による解析結果をもとにした7月4日頃の黒潮の位置を示します。​

水温

図2 水温の深さ方向の分布

令和7年7月3日~7月5日の観測結果を示します。図中のA~Cの記号は図1に対応します。


水温

図3 黒潮域の深さ400mの水温分布図(令和7年7月4日)

日別表層水温(海洋の健康診断表)による水温分布図に加筆
https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/t100_HQ.html
海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示します。
図中の青実線は図2で示した分布図の位置を示します。
図中の記号は図1に対応します。

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