オホーツク海の海氷分布(月概況)
令和7年3月10日 気象庁発表
(次回発表予定 4月10日)
診断(2025年2月)
オホーツク海の海氷域面積は、月を通して平年より小さく経過しました。
網走では平年より24日遅い2月15日に流氷初日となり、1946年の統計開始以降、最も遅い流氷初日となりました。また、網走では平年より13日遅い2月17日に流氷接岸初日となりました。稚内では平年より4日遅い2月23日に、2年ぶりの流氷初日となりました。
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図1 オホーツク海の海氷分布の経過(2025年2月)
赤線は平年(1991年から2020年の平均)の海氷縁です。
下段の分布図の上にカーソルを置くと、上段に拡大図が表示されます。


図2 オホーツク海の海氷域面積(2024年11月~2025年02月)
解説
オホーツク海全体の海氷の状況
オホーツク海では、2月上旬は北東部を除くほぼ全域で気温が平年より高く経過し、また、低気圧通過の影響でサハリン東岸の海氷域が岸に吹き寄せられたため、海氷域の拡大は進みませんでした。2月中旬以降は、冬型の気圧配置や低気圧の影響により北風や北西風の吹く日が多く、海氷域はオホーツク海中部・南部を中心に拡大しました。しかしオホーツク海では引き続き気温が平年より高く経過したため、海氷域の拡大は大きくは進まず、オホーツク海全域の海氷域面積は月を通して平年より小さく経過しました。
北海道周辺の流氷の動き
オホーツク海南部では、海氷域の拡大が進まなかったことに加え、2月上旬は冬型の気圧配置が長続きせず、北風や北西風の吹く日が少なかったことから、海氷の北海道オホーツク海沿岸への到来は平年より遅くなりました。2月中旬以降は冬型の気圧配置などにより北風や北西風の吹く日が多く、海氷は北海道オホーツク海沿岸の広い範囲で接岸しましたが、2月下旬にかけては海氷が海岸から離れる所が多くなりました。
網走では平年より24日遅い2月15日に流氷初日となり、1946年の統計開始以降、最も遅い流氷初日となりました。また、網走では平年より13日遅い2月17日に流氷接岸初日となりました。稚内では平年より4日遅い2月23日に、2年ぶりの流氷初日となりました。
海氷の一部は、2月上旬から中旬前半にかけて宗谷海峡から日本海へ流出しました。また、2月下旬には国後島、択捉島で接岸し、海氷の一部は国後水道(※)から太平洋へ流出しました。
※ 国後水道:国後島と択捉島の間の水道