災害をもたらした気象事例

昭和57年7月豪雨と台風第10号
昭和57年(1982年) 7月~8月
長崎県を中心に記録的な大雨(長崎豪雨)、
 台風第10号は東海地方に上陸。
死者427名、行方不明者12名、負傷者1,175名
住家全壊1,120棟、半壊1,919棟
床上浸水45,367棟、床下浸水166,473棟など
(消防白書より)
概要
 7月10日から20日にかけては、ほぼ毎日西日本の所々で日降水量が100mmを超える大雨となった。 16日は広島で223.0mm、20日は長崎で243.0mmの日降水量を観測し、九州の山間部では、10日から20日にかけての降水量が1,000mmを超えた所もあった。
 23日から25日にかけては低気圧が相次いで西日本を通過し、梅雨前線の活動が活発となった。 特に長崎県では23日夜に1時間に100mmを超える猛烈な雨が続いた。 長崎では3時間に313.0mm、日降水量448.0mmの豪雨となり、長崎市内を中心に土石流やがけ崩れにより、300名の死者が出るなど大きな災害が発生した。
 24日は熊本で日降水量394.5mmを観測するなど、島原半島や熊本県北部を中心に大雨となり、25日は九州南部や紀伊半島南部で100~300mmの大雨となった。
 気象庁は、7月23日から25日の大雨を「昭和57年7月豪雨」と命名した。
 7月24日に日本の南東海上で発生した台風第10号は、8月1日に紀伊半島の南海上を北上、2日00時頃渥美半島に上陸し、2日早朝には富山湾から日本海に進んだ。 2日15時には温帯低気圧に変わり、東北地方に接近した。 四国地方東部、中国地方東部から東北地方にかけての広い範囲で大雨となり、近畿地方から東北地方にかけては暴風が吹いた。8月1日には、静岡県石廊崎で10.15mの有義波高を観測し、観測開始(昭和51年)以来、第1位の記録となった。 近畿・北陸・関東で被害が大きく、全国の死者・行方不明者は95名となった。
天気図

天気図 7月23日09時

台風経路図
期間降水量
降水量時系列図(長崎)
降水量時系列図(熊本)
期間内での観測値
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
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