災害をもたらした気象事例

前線、台風第19号
平成2年(1990年) 9月11日~9月20日
台風が和歌山県に上陸し、本州縦断。
 西日本で総降水量1,000ミリ超える。
死者42名、行方不明者2名、負傷者197名
住家全壊240棟、半壊816棟
床上浸水8,333棟、床下浸水58,029棟
(防災白書、消防白書)
概要
 台風第19号は、9月13日にグアム島の南東海上で発生して発達しながら北西に進み、16日には沖縄の南東で猛烈な強さになった。 その後北東に進み、19日20時過ぎに強い勢力で和歌山県白浜町付近に上陸した。台風は北陸、東北を経て、20日12時前に岩手県宮古市付近から三陸沖に進み、温帯低気圧に変わった。
 一方、11~15日に前線が本州上をゆっくり南下したため、一部で雷や竜巻を伴った大雨となり浸水等の被害があった。台風が沖縄近海に達した17日頃から九州、四国、紀伊半島などで強い雨が降りだし、台風が通過する20日まで全国各地で大雨となった。
 期間降水量は、四国、紀伊半島の山沿いの一部では900~1,100mmに達した。豊岡(兵庫県豊岡市)で515.5mm、三島(愛媛県伊予三島市)で569mmのほか、四国、中国、近畿、東海地方の広い範囲で平野部でも200~400mmになった。また東北地方でも北部を中心に期間降水量が200~300mmとなった。 台風が強い勢力で通ったため、室戸岬(高知県室戸市)で最大風速43.3m/s(最大瞬間風速61.2m/s)を観測したほか、南西諸島や九州から東海にかけて最大風速が20~30m/sとなったところがあった。20日には、静岡県石廊崎で8.07mの有義波高を観測した。
台風経路図 期間降水量
期間内最大風速
期間内最大瞬間風速
期間内での観測値
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
検潮所での観測値
それぞれの図に、マウスを合わせてクリックすると、大きく表示されます。