台風第9号は、7月20日にフィリピンの東海上で発生し、日本の南海上を発達しながら北上して、26日17時過ぎに強い勢力で徳島県阿南市付近に上陸した。
その後、播磨灘を通り、26日21時前に岡山県備前市付近に再上陸し、中国地方を横断した。27日に山陰沖に進んで停滞し、28日06時に同海域で熱帯低気圧となった。
この熱帯低気圧は、28日夜から29日朝にかけて北陸地方西部から東海地方に南下し、31日に紀伊半島の南海上で消滅した。
この台風と熱帯低気圧により、東海地方から近畿、四国、中国地方で大雨となった。
特に紀伊半島では、26日を中心に豪雨となり、期間降水量が日出岳(奈良県上北山村)で958mmとなったほか、山沿いを中心に600~800mmとなった。
また広島県や島根県でも期間降水量が500mmを超えたところがあった。
26日には、三重県津で最大風速26.6m/sを観測するなど、四国から東海にかけて、20m/s前後の風が吹き、室戸岬(高知県室戸市)では最大風速37.5m/s(最大瞬間風速52.2m/s)を観測した。同日、高知県佐喜浜で8.73mの有義波高を観測し、観測開始(昭和52年)以来、第1位の記録となった。
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