災害をもたらした気象事例

台風第9号
平成9年(1997年) 7月24日~7月29日
四国東部に上陸、四国地方を横断、四国から東海地方にかけて暴風や大雨。
 室戸岬で最大瞬間風速52.2m/s、奈良県上北山村で日降水量734mm。
災害概要
負傷者46名
住家全壊12棟、半壊7棟、一部損壊183棟
床上浸水406棟、床下浸水2,710棟など
(防災白書より)
概要
 台風第9号は、7月20日にフィリピンの東海上で発生し、日本の南海上を発達しながら北上して、26日17時過ぎに強い勢力で徳島県阿南市付近に上陸した。 その後、播磨灘を通り、26日21時前に岡山県備前市付近に再上陸し、中国地方を横断した。27日に山陰沖に進んで停滞し、28日06時に同海域で熱帯低気圧となった。 この熱帯低気圧は、28日夜から29日朝にかけて北陸地方西部から東海地方に南下し、31日に紀伊半島の南海上で消滅した。
 この台風と熱帯低気圧により、東海地方から近畿、四国、中国地方で大雨となった。 特に紀伊半島では、26日を中心に豪雨となり、期間降水量が日出岳(奈良県上北山村)で958mmとなったほか、山沿いを中心に600~800mmとなった。 また広島県や島根県でも期間降水量が500mmを超えたところがあった。 26日には、三重県津で最大風速26.6m/sを観測するなど、四国から東海にかけて、20m/s前後の風が吹き、室戸岬(高知県室戸市)では最大風速37.5m/s(最大瞬間風速52.2m/s)を観測した。同日、高知県佐喜浜で8.73mの有義波高を観測し、観測開始(昭和52年)以来、第1位の記録となった。
台風経路図 期間降水量
期間内最大風速
期間内最大瞬間風速
期間内での観測値
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
検潮所での観測値
それぞれの図に、マウスを合わせてクリックすると、大きく表示されます。