災害をもたらした気象事例

停滞前線、台風第14・15・17号
平成12年(2000年) 9月8日~9月17日
東海地方で記録的な大雨、7万棟が浸水。
 名古屋市で日降水量428mm。
災害概要
死者10名、行方不明者2名、負傷者118名
住家全壊30棟、半壊176棟、一部損壊185棟
床上浸水22,885棟、床下浸水46,342棟など
(消防白書より)
概要
 台風第14号は、9月2日にマリアナ近海で発生し、西に進んで、12日19時過ぎ沖縄本島を通過した。その後東シナ海を北東に進んで、16日15時に朝鮮半島北東岸で温帯低気圧に変わった。一方、7日頃から本州付近に前線が停滞しており、11日から12日にかけて、台風第14号の東側を回る暖湿気流が前線に向かって流れ込んだため、前線の活動が活発となり、愛知、三重、岐阜県の東海地方を中心に記録的な大雨となった。名古屋では11日の日降水量が、平年の9月の月降水量の2倍となる428mmとなり、2日間の合計降水量が567mmに達した。また大雨は静岡県、山梨県にも及び、これらの広い地域で2日間の合計降水量が200~400mmとなったところがあった。期間降水量は、宮川(三重県宮川村)で1,090mmとなったほか、四国から東海地方で800~1,000mmに達した。
 台風第15号は、7日南大東島の南東海上で発生し、8日に沖縄本島の南海上をとおり、その後南に向きを変えて、11日ルソン島に上陸して熱帯低気圧になった。
 台風第17号は、15日に硫黄島の南西海上で発生し、父島の西海上を通過したのち北に向きを変え、本州の東海上を北上して、18日千島近海で温帯低気圧に変わった。
 沖縄県那覇では、最大潮位偏差56cmを観測し、観測史上過去最大となった(2000年時点)。
天気図 期間降水量
降水量時系列図(東海)
降水量時系列図(名古屋)
期間内での観測値
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
検潮所での観測値
それぞれの図に、マウスを合わせてクリックすると、大きく表示されます。