災害をもたらした気象事例

台風第10号
平成15年(2003年) 8月7日~8月10日
日本列島を縦断。全国で大雨、西日本で暴風。
 室戸岬で最大瞬間風速69.2m/s。
災害概要
死者17名、行方不明者2名、負傷者94名
住家全壊28棟、半壊27棟、一部損壊559棟
床上浸水389棟、床下浸水2,009棟など
(消防白書より)
概要
 8月3日にフィリピンの東海上で発生した台風第10号は、発達しながら北西に進み、7日の昼前に沖縄本島を通過した。7日午後には勢力を強めながら次第に北北東に向きを変え、8日早朝にかけて奄美諸島沿いに進んだ。台風は8日夜には強い勢力を保ったまま高知県室戸市付近に上陸し、さらに9日朝には兵庫県西宮市付近に再上陸した。その後台風は勢力を弱めて北陸、東北地方を通過した。10日早朝には北海道の襟裳岬付近に三たび上陸した後、国後島付近で温帯低気圧に変わった。
 8月7日から9日にかけては、台風の影響で南西諸島から本州付近の広い範囲で大雨となり、9日には、オホーツク海の低気圧から伸びる前線と台風の影響により北海道の一部で大雨となった。この期間の降水量は、高知県および徳島県では600mmを超え、三重県、奈良県、和歌山県、熊本県、宮崎県では400mmを、北海道地方、関東地方から九州地方の太平洋側でも200mmを超える大雨となった。また、沖縄・九州・四国地方の一部では台風接近・通過時を中心に暴風となり、名護(沖縄県名護市)で最大風速29.9m/s(最大瞬間風速48.7m/s)、室戸岬(高知県室戸市)で最大風速49.8m/s(最大瞬間風速69.2m/s)などを観測した。九州地方、四国地方、近畿地方では最大潮位偏差が100cm以上に達した所もあった。
台風経路図 期間降水量
期間内最大風速
期間内最大瞬間風速
期間内での観測値
気象官署での観測値
アメダスでの観測値
沿岸波浪計での観測値
検潮所での観測値
それぞれの図に、マウスを合わせてクリックすると、大きく表示されます。