災害をもたらした気象事例

昭和59年夏の高温・少雨
昭和59年(1984年) 4月~11月
全国的な春から続いた少雨傾向と夏の高温
災害概要
農作物被害809億円
算出期間:梅雨明け~9月
被害地域:北海道~関東・北陸地方、九州地方など
(農林水産省統計部資料)
概要
 夏を通じて日本付近は高気圧に覆われることが多く、高温・少雨が持続した。梅雨期間の降水量は局地的には大雨があったものの、西日本を中心に全般的に少なかった。梅雨明けは南西諸島~西日本では平年より早かった一方、東日本では不安定降水のため平年日前後の地方が多かった。4月から全国的な少雨傾向が続き、さらに猛暑の夏を迎え、干害が発生した。春から少雨傾向が持続した一方で、前冬の豪雪により山岳地帯の積雪が多かったため東京都水道局では7・8月とも給水制限を行わずに水需要に対応できた。接近した台風は2個で、そのうち上陸したものは無く、台風による雨が少なかった。秋雨前線の活動も不活発で、全国的な少雨傾向は11月まで続いた。
 この4~11月の少雨で、野菜、飼肥料作物、果樹、雑穀・豆類、水陸稲、ばれいしょ、工芸農作物、かんしょ、麦などの農作物に被害が発生した。最も影響を受けたのは陸稲(「不良」)で、特に関東地方で深刻(「著しい不良」)であった。畑作物、野菜類および飼料作物も東北・関東地方を中心に被害が発生した。一方、水稲は良い天候に恵まれ、台風などによる被害が極めて少なかったため、作柄は作況指数の全国平均が108と「良」であった。
 また、猛暑のため鶏、牛など家畜が死亡する被害が九州地方、北海道などで発生した。
経過図(福島) 夏季平均気温平年差図
期間内での観測値
気象官署での観測値
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