火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第41号 令和7年5月27日11時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続> 新燃岳では、引き続き小規模な噴火の可能性がありますので、新燃岳火口 から概ね2kmの範囲では、大きな噴石等に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新燃岳では、4月下旬から5月上旬に新燃岳火口直下を震源とする火山性 地震が前10日間で非常に多い状態となったものの、その後減少しました。 新燃岳近傍の傾斜計にも特段の変化は認められません。 監視カメラによる観測では、新燃岳火口内の白色噴煙は4月中旬以降、火 口縁上100m以下で経過しました。 新燃岳周辺で5月15日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄 )は検出されませんでした。また、新湯温泉付近から実施した観測では、前 回(4月30日)調査時と比べて地熱域の状況等に特段の変化は認められま せんでした。 一方、2024年10月下旬頃から新燃岳火口直下を震源とする火山性地 震が増減を繰り返しており、前10日間の地震回数は依然として多い状態で 経過しています。 GNSS連続観測では、2024年11月頃から、霧島山を挟む一部の基 線で新燃岳付近の地下の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められま す。 これらのことから引き続き、弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火 口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する噴火が発生する可能 性があります。 2.防災上の警戒事項等 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕 流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概 ね2kmの範囲では警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、30日(金)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。