火山名  霧島山(新燃岳)  火山の状況に関する解説情報  第49号
平成23年3月18日16時00分  福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(本  文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>

1.火山活動の状況(3月14日〜3月18日15時)
 霧島山(新燃岳)では、期間中、噴火は観測されていません。遠望観測で
は白色の噴煙が最大で火口縁上400mまで上昇しています。
 気象庁の高千穂河原観測点の傾斜計では、16日12時頃から新燃岳側の
わずかな隆起を示す変化が続いていましたが、本日(18日)03時頃から
沈降を示す変化に転じています。
 15日と17日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は1日
当たり、15日が500トン、17日が200トンとやや少ない状態でした
。
 火山性地震は、増減を繰り返しながらやや多い状態が続いていますが、昨
日(17日)からさらに増加しています。
 
 3月14日からの火山性地震と爆発的噴火の回数(速報値)は以下のとお
りです。

              火山性地震     爆発的噴火
3月14日           55回        0回
3月15日           11回        0回
3月16日            7回        0回
3月17日          168回        0回 
3月18日(15時まで)   205回        0回
 
2.防災上の警戒事項等
 新燃岳火口から概ね4kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒が必要です。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う火砕流に警戒が必要で
す。
 風下側では降灰及び遠方でも風に流されて降る小さな噴石(火山れき)に
注意が必要です。これまでの噴火では、風に流されて直径4cm程度の小さ
な噴石(火山れき)が新燃岳火口から10kmを超えて降りました。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。噴火警報等及び霧
島山上空の風情報に注意してください。
 降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に注意して
ください。

 
 次の火山の状況に関する解説情報は、3月22日(火)17時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>