降灰予報の説明

降灰予報とは

 火山噴火に伴い空から降ってくる火山灰(降灰)は、その量に応じて様々な被害をもたらします。気象庁では平成20年から降灰予報の発表を開始し、平成27年3月からは噴火後に、どこに、どれだけの量の火山灰が降るかについて、詳細な情報をお伝えしています。また、活動が活発化している火山では、もしも今日、噴火が起こるとしたら、この範囲に降灰があります、という事前の情報も提供しています。さらに、噴火直後には、風に流される小さな噴石(1㎝以上)が降る範囲についても速報します。
 これら降灰予報について理解を深めていただき、活発な火山周辺での防災対応や、住民の皆さまの生活情報へと活かしていただけるようよろしくお願いします。


情報発表の流れ

① 降灰予報(定時)

  • 噴火警報発表中の火山で、噴火により人々の生活に影響を及ぼす降灰が予想される場合に、定期的(3時間毎)に発表します。
  • 発表時刻は2時、5時、8時、11時、14時、17時、20時及び23時です。
  • 18時間先(3時間区切り)までに噴火した場合に予想される、降灰範囲や小さな噴石の落下範囲を提供します。

② 降灰予報(速報)

  • 噴火の発生を通報する「噴火に関する火山観測報」を受けて発表します。
  • 降灰予報(定時)を発表中の火山では、降灰への防災対応が必要となる「やや多量」以上の降灰が予測された場合に発表します。
  • 降灰予報(定時)が未発表の火山では、噴火に伴う降灰域を速やかに伝えるため、予測された降灰が「少量」のみであっても必要に応じて発表します。
  • 事前計算された降灰予報結果から適切なものを抽出することで、噴火後速やかに(5~10分程度で)発表します。
  • 噴火発生から1時間以内に予想される、降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を提供します。

③ 降灰予報(詳細)

  • 噴火の観測情報(噴火時刻、噴煙高など)を用いて、より精度の高い降灰予測計算を行って発表します。
  • 降灰予報(定時)を発表中の火山では、降灰への防災対応が必要となる「やや多量」以上の降灰が予測された場合に発表します。
  • 降灰予報(定時)が未発表の火山では、噴火に伴う降灰域を速やかに伝えるため、予測された降灰が「少量」のみであっても必要に応じて発表します。
  • 降灰予報(速報)を発表した場合には、予想降灰量によらず、降灰予報(詳細)も発表します。
  • 降灰予測計算結果に基づき、噴火後20~30分程度で発表します。
  • 噴火発生から6時間先まで(1時間ごと)に予想される降灰量分布や、降灰開始時刻を提供します。

※ 噴煙が気象条件により直接確認できない場合等には、これよりも降灰予報の発表に時間を要することや、降灰予報を発表できないことがあります。


情報発表の流れ(イメージ)

 ※上空の風が弱い場合、あるいは高度によって風向きが大きく変化している場合、
 降灰予報と実際の降灰範囲及び降灰量が異なることがあります。



降灰量階級表

 降灰量の情報を、わかりやすく、防災対応が取りやすいように伝えるため、降灰量を階級で表現します。 降灰量を、降灰の厚さによって「多量」「やや多量」及び「少量」の3階級に区分し、降灰量階級表では、それぞれの階級における「降灰の状況」と「降灰の影響」及び「とるべき対応行動」を示します。

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降灰量階級表



情報の見方

 降灰予報の各情報の見方は以下のとおりです。

降灰予報(定時)

降灰予報(定時)図情報の見方

降灰予報(速報)

降灰予報(速報)図情報の見方

降灰予報(詳細)

降灰予報(詳細)図情報の見方



降灰予報の特徴や留意事項

  • 一般に、降灰予報には、噴煙の初期条件や数値計算等に起因する誤差を伴います。
  • 上空の風が弱い場合、あるいは高度によって風向きが大きく変化している場合は、降灰予報と実際の降灰範囲及び降灰量が異なることがあります。
  • 情報発表の流れ」にあるとおり、噴火発生後速やかに降灰予報(速報)を、20~30分程度で降灰予報(詳細)を発表しますが、その後も一定時間噴火が継続している場合、その状況を踏まえて降灰予測計算を再度実施し、改めて降灰予報を発表することがあります。最新の降灰予報をご利用ください。

 過去に発表した降灰予報の検証結果について、詳しくは以下のページをご覧ください。

 ・発表した降灰予報の検証



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