気候系監視速報 ~気候系の診断情報~
気象庁では、世界各地で起こった異常気象、それをもたらしたと考えられる大気大循環、海洋の状態等気候系を監視しています。これらの監視結果に基づき、月々の気候系の特徴をとりまとめた「気候系監視速報」を作成しています。 なお、年間の異常気象・天候や気候系の特徴に関する総合的な情報は「気候変動監視レポート」をご覧ください。 ※「気候系監視速報」は、2023年5月号(2023年6月発表)から気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データ及び全球海面水温解析データ(COBE-SST2、MGDSST)に基づいて記述しています。
気候系の特徴(2024年10月)
- 対流活動は、平年と比べて、アフリカの北緯10度帯~アラビア海、南インド洋中部の熱帯域、フィリピン付近~北太平洋西部の亜熱帯域で活発、太平洋熱帯域中部~南米で不活発だった。
- 対流圏上層では、アフリカ~インド洋熱帯域で南北半球対の高気圧性循環偏差となった。
- 対流圏下層では、北太平洋で広く高気圧性循環偏差となり、日本付近へも高気圧性循環偏差が広がった。
- 500hPa高度は、グリーンランド付近からシベリアを経由して日本付近にかけて波列状の偏差パターンとなった。日本付近からアリューシャンの南で顕著な正偏差となり、そこからさらに北大西洋へ波列状の偏差が連なった。
- 日本付近~北太平洋中緯度帯では偏西風が平年の位置より顕著に北寄りを流れた。
- 北半球中緯度の対流圏層厚換算温度は記録的に高かった。
- 日本の月平均気温偏差は+2.21℃で、1898年の統計開始以降10月として最も高い値となった。また、西日本を中心に秋雨前線や低気圧の影響を受けやすかった。
気候系監視速報
<過去分:2007年3月~2024年9月> 2011年5月号から2021年4月号までは、平年の期間を1981~2010年として記述しています。
2011年4月号までは、平年の期間を1979〜2004年として記述しています。
2014年1月号まではJRA-25/JCDASによる大気循環場データに基づいて記述しています。
2014年2月号から2023年4月号まではJRA-55による大気循環場データに基づいて記述しています。
2023年5月号からは気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データに基づいて記述しています。
項目別の詳細情報
大気の循環・雪氷・海況図表類
2024年3月18日 「大気の循環・雪氷・海況図表類」について、気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)を用いた図表を、熱帯低気圧解析の品質が改善されたデータに基づくものに更新しました。外向き長波放射量(OLR)に基づく1991年以降のすべての図を、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)より提供されたBlended OLRを用いたものに更新しました。※外向き長波放射量(OLR)関連の図表や指数の値は、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)によるデータの提供状況によっては、更新が遅れる場合や灰色で塗られた欠損表示となる場合があります。
関連情報
- 気候変動監視レポート 世界及び日本の気候変動を中心に、気候変動に影響を与える温室効果ガス、さらにオゾン層等の状況について、毎年、最新の情報を公表しています。2017年版より、年間の異常気象・天候や気候系(大気、海況、雪氷)の特徴に関する記述を充実させました。
- 気候系監視年報(2011〜2016年) 年間の異常気象・天候や気候系(大気、海況、雪氷)の特徴をまとめた総合的な監視・解析情報です。2017年以降については、内容を気候変動監視レポートに統合しましたのでそちらをご覧ください。
- 日本の異常気象 社会的に大きな影響をもたらした日本の異常気象の特徴と要因に関する情報です。
- 世界の異常気象 社会的に大きな影響をもたらした世界の異常気象の特徴と要因に関する情報です。
- 異常気象分析検討会
- 気候系監視関連情報の解説