気候系監視速報 ~気候系の診断情報~
気象庁では、世界各地で起こった異常気象、それをもたらしたと考えられる大気大循環、海洋の状態等気候系を監視しています。これらの監視結果に基づき、月々の気候系の特徴をとりまとめた「気候系監視速報」を作成しています。 なお、年間の異常気象・天候や気候系の特徴に関する総合的な情報は「気候変動監視レポート」をご覧ください。 ※「気候系監視速報」は、2023年5月号(2023年6月発表)から気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データ及び全球海面水温解析データ(COBE-SST2、MGDSST)に基づいて記述しています。
気候系の特徴(2024年11月)
- 熱帯の対流活動は、平年と比べて、南インド洋熱帯域の中部~オーストラリア、フィリピンの北、カリブ海付近で活発、太平洋赤道域の西部~中部で不活発だった。
- 対流圏上層では、太平洋東部~アフリカ~インド洋西部で南北半球対の高気圧性循環偏差となった。ユーラシア大陸南部で波列状の偏差パターンが見られ、東アジアでも高気圧性循環偏差となった。
- 500hPa高度は、半球規模で波列状の偏差パターンが卓越し、アラスカの南西、カナダ東部~ヨーロッパ、東アジアで正偏差となった。
- 偏西風は平年の位置と比べて、日本付近で北寄り、日本の東海上で南寄りを流れた。
- 帯状平均した対流圏の気温は、熱帯~両半球中緯度で顕著な高温偏差となった。
- 日本の月平均気温は、西日本、沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本で高かった。
- 月降水量は、東・西日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側では1946年の統計開始以降、11月として1位の多雨となった。
気候系監視速報
<過去分:2007年3月~2024年10月> 2011年5月号から2021年4月号までは、平年の期間を1981~2010年として記述しています。
2011年4月号までは、平年の期間を1979〜2004年として記述しています。
2014年1月号まではJRA-25/JCDASによる大気循環場データに基づいて記述しています。
2014年2月号から2023年4月号まではJRA-55による大気循環場データに基づいて記述しています。
2023年5月号からは気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データに基づいて記述しています。
項目別の詳細情報
大気の循環・雪氷・海況図表類
2024年3月18日 「大気の循環・雪氷・海況図表類」について、気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)を用いた図表を、熱帯低気圧解析の品質が改善されたデータに基づくものに更新しました。外向き長波放射量(OLR)に基づく1991年以降のすべての図を、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)より提供されたBlended OLRを用いたものに更新しました。※外向き長波放射量(OLR)関連の図表や指数の値は、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)によるデータの提供状況によっては、更新が遅れる場合や灰色で塗られた欠損表示となる場合があります。
関連情報
- 気候変動監視レポート 世界及び日本の気候変動を中心に、気候変動に影響を与える温室効果ガス、さらにオゾン層等の状況について、毎年、最新の情報を公表しています。2017年版より、年間の異常気象・天候や気候系(大気、海況、雪氷)の特徴に関する記述を充実させました。
- 気候系監視年報(2011〜2016年) 年間の異常気象・天候や気候系(大気、海況、雪氷)の特徴をまとめた総合的な監視・解析情報です。2017年以降については、内容を気候変動監視レポートに統合しましたのでそちらをご覧ください。
- 日本の異常気象 社会的に大きな影響をもたらした日本の異常気象の特徴と要因に関する情報です。
- 世界の異常気象 社会的に大きな影響をもたらした世界の異常気象の特徴と要因に関する情報です。
- 異常気象分析検討会
- 気候系監視関連情報の解説