2025年4月の天候
2025年5月1日 掲載
2025年4月の特徴
* 気温は、北・東・西日本で高かった一方、沖縄・奄美で低かった
気温は、本州付近に暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東・西日本で高かった。一方、沖縄・奄美では、上旬を中心に寒気の影響を受けた時期があり、低かった。
* 降水量は、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった一方、西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり少なかった
降水量は、中旬に北日本付近をゆっくり通過した低気圧の影響を受けたことなどにより、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。一方、低気圧の影響を受けにくかった西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり少なかった。
* 日照時間は、北日本日本海側と北日本太平洋側で記録的に少なかった
日照時間は、月を通して低気圧の影響を受けやすかった北日本日本海側と北日本太平洋側ではかなり少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側では、それぞれ1946年の統計開始以降、4月として1位、1位タイの寡照となった。
概況
全国的に天気は数日の周期で変わったが、低気圧が北日本付近を通過しやすく、特に中旬に北日本付近を低気圧がゆっくり通過したため、北日本では曇りや雨の日が多く、北海道地方では4月として記録的な大雨となった所があった。一方、西日本中心に低気圧の影響を受けにくく、高気圧に覆われやすかった。このため、月降水量は、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。一方、西日本日本海側と西日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側では少なかった。月間日照時間は、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側では少なかった。北日本日本海側、北日本太平洋側の月間日照時間平年比はそれぞれ69%、78%で、それぞれ1946年の統計開始以降、4月として1位、2006年と並んで1位タイの寡照となった。一方、西日本日本海側と西日本太平洋側では月間日照時間は多かった。沖縄・奄美では、中旬を中心に高気圧に覆われやすかったため、月間日照時間は多かった。月平均気温は、本州付近に暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東・西日本で高かった。一方、沖縄・奄美では、上旬を中心に寒気の影響を受けた時期があり、低かった。
降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側ではかなり多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり少なかった。東日本日本海側では少なかった。東日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
日照時間は、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側ではかなり少なかった。東日本日本海側では少なかった。東日本太平洋側では平年並だった。
気温、降水量、日照時間等の気候統計値
平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 | 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況 |
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* 平均気温の高い記録を更新した地域なし * 平均気温の低い記録を更新した地域なし * 降水量の多い記録を更新した地域なし * 降水量の少ない記録を更新した地域なし * 日照時間の多い記録を更新した地域なし * 日照時間の少ない記録を更新した地域北日本、北日本日本海側、東北地方、東北日本海側、東北北部 北日本太平洋側(タイ)、北海道太平洋側(タイ) |
旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 | 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) |
![]() この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1) |
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旬別の天候経過
上旬
全国的に天気は数日の周期で変わったが、北日本日本海側を中心に低気圧の影響を受けやすかった。このため、旬間日照時間は北日本日本海側でかなり少なく、北・東日本太平洋側と東日本日本海側で少なかったが、低気圧はあまり発達しなかったため、旬降水量は北・東日本日本海側で少なかった。東日本太平洋側では1日から3日頃にかけて南岸低気圧の影響を受けたため、旬降水量は多かった。一方、西日本は高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。沖縄・奄美は1日と10日頃に低気圧や前線の影響を受けたため、旬降水量は多かった。旬平均気温は、期間前半は沖縄・奄美を中心に寒気の影響を受けやすく、期間後半は北日本を中心に暖かい空気が流れ込みやすかったため、沖縄・奄美でかなり低く、北日本で高かった。
旬降水量は、東日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。北日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、西日本日本海側では多かった。北日本日本海側ではかなり少なかった。北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側では少なかった。西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
中旬
全国的に天気は数日の周期で変わったが、13日から16日頃に低気圧が北日本付近をゆっくり通過したため、北日本を中心に曇りや雨の日が多く、北海道地方では4月として記録的な大雨となった所があった。このため、旬降水量は北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北日本日本海側では平年比278%と1946年の統計開始以降で4月中旬として1位の多雨となった。また、旬間日照時間は北日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本日本海側で少なかった。一方、沖縄・奄美は、高気圧に覆われやすかったため、旬間日照時間はかなり多かった。旬平均気温は、17日から20日頃に南高北低の気圧配置となって暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。
旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側ではかなり多かった。東日本日本海側では多かった。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間は、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本太平洋側ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側では少なかった。東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
下旬
全国的に天気は数日の周期で変わったが、北日本では低気圧の影響を受けやすく、特に29日頃に北日本付近を通過した低気圧により、まとまった降水があった。一時的な寒気の流れ込みにより、北海道地方の平地でも積雪となった所があった。このため、北日本日本海側と北日本太平洋側では旬降水量が多く、旬間日照時間が少なかった。一方、東日本以西では高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、旬降水量は東・西日本日本海側と西日本太平洋側で少なく、旬間日照時間は西日本日本海側と沖縄・奄美で多かった。旬平均気温は、旬の前半中心に本州付近に暖かい空気が流れ込みやすかったことから、東日本で高かった。
旬降水量は、北日本日本海側、北日本太平洋側では多かった。東日本日本海側、西日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。東日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間は、西日本日本海側、沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では少なかった。東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側では平年並だった。
循環場
500hPa高度場等の特徴
500hPa高度では、寒帯前線ジェット気流が東シベリアで北に大きく蛇行して流れた一方、亜熱帯ジェット気流が東シナ海付近で南に蛇行して流れたため、北日本は正偏差となり、寒気の影響が弱かった一方、沖縄・奄美を中心に負偏差となり、寒気の影響を受けやすかった。また、これらの蛇行に伴い中国東北区から日本海にかけて偏西風が弱く、北日本を中心に偏西風から切り離された動きの遅い低気圧の影響を受けた時期があった。海面気圧では、中国東北区付近から日本付近に気圧の谷がのび、北日本では低気圧の影響を受けやすかった。
月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら) 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます) | |
2025年4月平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) | 2025年4月平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃) |
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2025年4月平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) | 2025年4月平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2) |
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外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。 |
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※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。 |
資料
※ : 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。
※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。
※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。