エーロゾルと紫外線

 エーロゾルとは大気中に浮遊する固体または液体の微粒子のことで、大気汚染物質等を起源とする硫酸エーロゾル、海水が風で巻上がってできる海塩粒子、化石燃料等の燃焼によるすすなどがあります。黄砂もエーロゾルの一種です。ほとんどのエーロゾルは地上から高度数kmの間に存在します。エーロゾルの量が多いと、一般的に視程が悪くなる傾向があります。エーロゾルは太陽光を散乱、吸収するため、地上に到達する有害紫外線量を減少させます。
 下図につくば市で快晴時に観測されたUVインデックスの日変化と、大気中にエーロゾルが存在しないと仮定して計算したUVインデックスの日変化を示します。この日に観測されたUVインデックスは、エーロゾルがないとした場合に比べ、約2割小さくなることがわかります。この日は普段より比較的エーロゾルが多い日でしたが、典型的な黄砂などもっとエーロゾル量が多い場合には、UVインデックスはさらに小さくなります。
 エーロゾル量の日々の変化によってUVインデックスは1~2割変化します。台風の通過後など空気の澄み切った日には、エーロゾルの量が少なくなりUVインデックスが大きくなるので注意が必要です。また、南西諸島などを中心に海洋性気団に安定しておおわれる夏はエーロゾルが少なく、紫外線は強くなる傾向があります。


エーロゾルと紫外線の関係
つくば市で2004年7月7日のUVインデックス
太線はUVインデックス観測値、 細線はエーロゾルが全くないと仮定した場合のUVインデックスの推定値を示します。



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