後方流跡線解析

  •  月別の後方流跡線
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月別の後方流跡線
後方流跡線解析

月別の後方流跡線

 温室効果ガスの濃度の変化は観測した空気塊の起源に大きく関係しており、地点・月ごとに空気塊の移動経路を知ることは重要です。図では、綾里、南鳥島、与那国島の3地点について行った等温位面での後方流跡線計算の結果を月ごとに示しています。なお、気象データは気象庁55年長期再解析データを使用して計算しています。

 なお、後方流跡線計算の諸元は以下のとおりです。
 ・気象データ:気象庁55年長期再解析データ(6時間間隔)
 ・格子間隔:1.25度×1.25度
 ・計算開始高度:観測所上空1000 m
 ・移流面:等温位面
 ・移流計算間隔:30分
 ・後方計算時間:7日間(168時間)

 図では、色の濃い方が空気塊の通過頻度が多いことを示しています。


日別の後方流跡線通過図

 さらに、空気塊が通過する領域を地域ごとに区切り、各観測点の6時間ごとの空気塊がどの地域を通過して来たかの軌跡解析を行っています。図はそのために地図上の地域を分けたものであり、日本近辺の空気塊経路を考慮して10地域に分類しました。それぞれの地域は、以下のとおりです。

NW:北西アジア域MS:南西太平洋域
NE:北アジア域及び北太平洋域CN:大陸東岸北域
CW:温帯中央アジア域CS:大陸東岸南域
ME:東太平洋域MW:日本近海域
SE:南西アジア域及びインド洋域JP:日本域

空気塊の軌跡解析に使用した地域分類図

空気塊の軌跡解析に使用した地域分類図

 図では、気象庁の観測点に到達した空気塊が、地域分類図で色分けされたどの区域を通過して到達したかを示しています。横軸は該当月の観測日時を示し、縦軸は観測日時を起点として遡った時間です。6時間ごとに色分けしており、最上段が168時間前(7日前)、最下段が0ですなわち観測点への到達を示します。
 この図では、観測点が前線の通過などで異なった空気塊に覆われると、遡った時間軸に沿って色が大きく変わることとなります。すなわち、空気塊が異なった地域を経由してきたことを示します。温室効果ガスの大気中濃度観測値の変動と、この空気塊の変動は良く対応することがわかっています。
 図では、綾里(岩手県大船渡市)(上)、南鳥島(東京都小笠原村)(中)、与那国島(沖縄県八重山郡)(下)の空気塊の通過地域図を示しています。


月別の後方流跡線通過図

 綾里、南鳥島、与那国島の3地点における空気塊の通過域の割合の年ごとの月平均値について、2001年から2010年までの10年間の平均とともに図に示しています。
 2001年から2010年までの10年間の平均から、綾里では7、8月前後に太平洋からの移流が見られ、その他の月は、特に冬季を中心としてシベリア、中国北部から移流して来ることが多いこと、南鳥島では冬季のみ大陸からの移流がしばしば見られ、その他の月は東海上から移流して来ることが多いこと、与那国島では夏季には南海上から、冬季は中国大陸から移流して来ることが多く、秋季には日本近海域を通過した空気塊の影響を受けることが多いことがわかります。