海面水温の長期変化傾向(全球平均)
平成19年2月13日発表
平成19年2月13日発表
平成18(2006)年の世界の年平均海面水温の平年差は+0.21℃で、統計を開始した1891年以降では1998年に次いで(2002年、2003年、2005年と並び)2番目に高い値となりました。 世界の年平均海面水温は、数年から数十年の時間スケールの海洋・大気の変動や地球温暖化等の影響が重なり合って変化しています。長期的には100年あたり0.50℃の割合で上昇しており、特に1990年代後半からは長期的な傾向を上回って高温となる年が頻出しています。
2006年の世界の年平均海面水温の平年差は+0.21℃で、海域別に見ると北大西洋の海面水温が年を通じて高かったことが最も大きく影響しています。
海面水温の長期変動(図の赤い曲線)では、1910年頃に極小、1940年代初頭に極大となっています。それ以降、しばらく横ばい傾向でしたが、1970年代半ば以降、再び上昇傾向に転じ、特に1990年代後半以降は、長期的な傾向を上回って高温となる年が繰り返し出現しています。
こうした海面水温の変動は、陸域における地上気温の変動と概ね同じ傾向を見せています。長期的な上昇率は、海面水温が+0.50℃/100年、陸上気温が+0.77℃/100となっています(海面水温の上昇率は、1891年から2006年までの統計データを基に算出しています)。
2007年2月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書第1作業部会報告書の政策決定者向け要約(SPM)では、大気中の二酸化炭素濃度の増加などの人為起源の影響を考慮することによってのみ、上記のような海面水温・陸上気温の上昇傾向が地球温暖化予測モデルによるシミュレーションで再現されること等の事実から、人為起源により地球温暖化が生じている可能性がかなり高いことを指摘しています(IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約(気象庁暫定訳))。