海面水温の長期変化傾向(全球平均)

令和6年2月15日気象庁発表
(次回発表予定 令和7年2月17日)

診断(2023年)

  • 令和5(2023)年の年平均海面水温(全球平均)の平年差は+0.40℃で、統計を開始した1891年以降で最も高い値でした。
  • 年平均海面水温(全球平均)は、数年から数十年の時間スケールの海洋・大気の変動や地球温暖化等の影響が重なり合って変化しています。長期的な傾向は100年あたり0.61℃の上昇となっています。
年平均海面水温(全球平均)の平年差の推移

凡例

年平均海面水温(全球平均)の平年差の推移

各年の値を黒い実線、5年移動平均値を青い実線、長期変化傾向を赤い実線で示します。
平年値は1991〜2020年の30年平均値です。

解説

2023年の年平均海面水温(全球平均)の平年差は+0.40℃で、統計を開始した1891年以降では最も高い値でした。過去10年間(2014~2023年)の値は、すべて歴代10位以内の値となりました。
海面水温の数年規模以上の変動(図の青い実線)では、1910年頃から1940年頃にかけてと、1970年代半ばから2000年前後にかけて明瞭な上昇傾向、1940年代から1970年代半ばにかけてと、2000年前後から2010年代前半にかけて横ばい傾向となっています。そのような十年から数十年規模の変動を繰り返しながら長期的には上昇する傾向(地球温暖化)にあり、1891年から2023年までの変化率は100年あたり0.61℃の上昇となっています。こうした海面水温の変動は、陸域における地上気温の変動と概ね同じ傾向を示しています。ただし、陸上気温の長期的な変化率は、1880年から2022年までの期間において100年あたり0.89℃の上昇(世界の年平均気温(陸上のみ)の経年変化)となっており、海面水温の上昇率はこれよりも小さくなっています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(2021年)は、大気中の二酸化炭素濃度の増加などの人為起源の影響を考慮することによってのみ、海面水温・陸上気温の上昇傾向が地球温暖化予測モデルによるシミュレーションで再現されることや、複数の証拠を組み合わせた新しい解析と手法から、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がないことを初めて明記し、大気、海洋において、広範囲かつ急速な変化が現れていると指摘しています。

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