海面水温の長期変化傾向(全球平均)

平成26年2月10日発表

診断(2013年)

  • 平成25(2013)年の年平均海面水温(全球平均)の平年差は+0.13℃で、統計を開始した1891年以降では2番目に高い値となりました。
  • 年平均海面水温(全球平均)は、数年から数十年の時間スケールの海洋・大気の変動や地球温暖化等の影響が重なり合って変化しています。長期的な傾向は100年あたり0.51℃の上昇となっています。なお、1990年代後半からは長期的な傾向を上回る年が頻出していますが、2000年代初頭からは横ばい傾向で推移しています。
  • 年平均海面水温(全球平均)の平年差の推移

    凡例

    年平均海面水温(全球平均)の平年差の推移

    各年の値を黒い実線、5年移動平均値を青い実線、長期変化傾向を赤い実線で示します。
    平年値は1981〜2010年の30年平均値です。

    解説

    2013年の年平均海面水温(全球平均)の平年差は+0.13℃で、統計を開始した1891年以降では2番目に高い値でした。近年は高温傾向が明瞭で、特に2001年以降の平年差は、2007年、2008年、2011年の値がやや小さかったほかは、概ね+0.1℃前後(+0.09〜+0.13℃)で推移しています。
    海面水温の数年規模以上の変動(図の青い曲線)では、1910年頃に極小、1940年代初頭に極大となった後、しばらく横ばい傾向でしたが、1970年代半ばから2000年代初頭にかけて再び上昇傾向に転じました。それ以降は、長期的な傾向(図の赤い直線)を上回る年が頻出しているものの、横ばい傾向で推移しています。
    こうした海面水温の変動は、陸域における地上気温の変動と概ね同じ傾向を見せています。ただし、長期的な上昇率は、海面水温が+0.51℃/100年で、陸上気温の+0.84℃/100年(世界の年平均気温(陸上のみ)の経年変化)よりも小さくなっています(海面水温の上昇率は、1891年から2013年までの統計データを基に算出しています)。
    気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(2013年)では、大気中の二酸化炭素濃度の増加などの人為起源の影響を考慮することによってのみ、上記のような海面水温・陸上気温の上昇傾向が地球温暖化予測モデルによるシミュレーションで再現されること等の事実から、人間活動が20世紀半ば以降に観測された地球温暖化の主な要因であった可能性が極めて高いことを指摘しています(IPCC第5次評価報告書(2013年))。

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