平成18年5月1日発表
診断(2005年)
・1980年代にしばしば発生した日本東方海域における親潮の顕著な南下は、1986年を最後に発生していません。
・2005年の親潮の南端位置及び面積は平均的でした。
赤線が平均南端位置(右軸=北緯(度))、青色部が平均面積 (左軸=104km2)を示します。
(1971年1月〜2005年12月)
(1971年1月〜2005年12月)
解説
日本東方海域における 親潮の沿岸寄りの分枝 の顕著な南下*は1981年、1984年、1986年と1980年代にしばしば発生しましたが、このような事例は1986年を最後に発生していません。2004年には春季(3〜5月)の平均南端位置が北緯38度に達しましたが、細長い分布形で親潮の面積は特に広いものではありませんでした。
2005年は、3月に一時的に北緯37度を超える南下が見られました (参考図:日本東方海域の月毎の親潮の面積及び南端位置) しかし、春季(3〜5月)の平均南端位置は北緯38.8度、平均面積は12.3×104km2と、過去45年間の平均値(南端位置:北緯39.2度、面積:12.8×104km2)と大差なく、過去45年間の順位も南端位置が21位、面積が25位と中間的な順位でした。 これらのことから、2005年の親潮の南端位置及び面積は平均的と診断しました。
*顕著な南下:春季(3〜5月)の平均南端位置が北緯38度を越え、かつ、春季の平均面積が1961年以降の上位10位以内であるような場合を、主観的に、顕著な南下としています。1978年、1981年、1984年及び1986年が該当します。