平成19年2月28日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2006年)
・1980年代にしばしば発生した日本東方海域における親潮の顕著な南下は、1986年を最後に発生していません。
・2006年の親潮は沿岸寄りの分枝が2月から3月にかけて広く南下しました。
赤線が平均南端位置(右軸=北緯(度))、青色部が平均面積 (左軸=104km2)を示します。
(1971年1月〜2006年12月)
(1971年1月〜2006年12月)
解説
日本東方海域における 親潮の沿岸寄りの分枝 の顕著な南下*は1981年、1984年、1986年と1980年代にしばしば発生しましたが、このような事例は1986年を最後に発生していません。2006年は、2月から3月にかけて沿岸寄りの分枝が広く南下し、3月の面積は1998年4月以来の規模となりました。このため春季(3〜5月)の平均面積は過去46年間の第5位の広がりでした。一方、分枝の南端位置は、2月に北緯37.5度に達したもののその後は北緯38度を越えることはなく、第19位でした。
*顕著な南下:春季(3〜5月)の平均南端位置が北緯38度を越え、かつ、春季の平均面積が1961年以降の上位10位以内であるような場合を、主観的に、顕著な南下としています。1978年、1981年、1984年及び1986年が該当します。