日本近海の海面水温(月概況)

令和3年8月20日 気象庁発表

診断 (2021年7月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 日本海、日本の東の北緯35度以北では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中D)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年7月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

日本海、日本の東の北緯35度以北では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。これらの海域では、上旬は、日本海で海面水温が高くなっていたのに対し、日本の東の北緯35度以北では、平年より日射量が少なく、風が強かった影響により、東経146度以東で海面水温が平年より低い海域がみられました。中旬以降、北日本を中心に高気圧が強く、平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大し、下旬にはほぼ全域で平年よりかなり高くなりました。日本海北部、日本海南部、北海道南東方の海面水温は、解析値のある1982年以降で7月として最も高い水温になりました(臨時診断表「日本海、北海道南東方で記録的に高い海面水温」)。

関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。この海域では、上旬は海面水温が平年より低い海域がみられましたが、中旬には平年より日射量が多く、風が弱かった影響により、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。下旬は台風第8号により平年より風が強かった影響を受け、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中D)。この海域では、中旬は広い範囲で海面水温が平年より高くなっていましたが、下旬には四国沖で平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響により、海面水温が平年より低くなっていました。

東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。この海域では、中旬までは海面水温が平年よりかなり高い海域もみられましたが、下旬には台風第6号により平年より風が強かった影響を受け、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。

東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。これらの海域では、上旬は海面水温が平年より低い海域がみられましたが、中旬には海面水温が平年より高い海域がみられるようになりました。下旬は台風第6号により平年より日射量が少なく、風が強かった影響を受け、広い範囲で海面水温が平年より低くなり、平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。これらの海域では、中旬は海面水温が平年より高い海域がみられましたが、下旬には台風第8号や熱帯低気圧により、平年より日射量が少なく、風が強かった影響を受け、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられるようになりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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