臨時診断表 日本海、北海道南東方で記録的に高い海面水温

令和3年8月3日 気象庁発表

診断

   7月の日本海や日本の東を中心とした海域の海面水温は、平年よりかなり高くなり、特に、日本海北部・南部、北海道南東方では、解析値のある1982年以降の7月では最も高くなりました。

図1 日本近海の月平均海面水温分布図(左)、同平年差分布図(右)(2021年7月)

図1 日本近海の月平均海面水温分布図(左)、同平年差分布図(右)(2021年7月)

左図の緑枠、黄色枠、青枠が、それぞれ日本海北部、日本海南部、北海道南東方の領域を示しています。平年差は海面水温の平年値(1991~2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。この図の海面水温は速報値で、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温の状況

   7月中旬以降、北日本を中心に高気圧が強く、暖かい空気に覆われました。このため、日本海から日本の東にかけて、平年より風が弱く日射量も多くなり、これらの海域では海面水温が平年よりかなり高くなりました(図1)。
   7月の月平均海面水温は、日本海北部では22.6℃(平年差+3.8℃)、日本海南部では25.7℃(平年差+2.9℃)、北海道南東方では17.7℃(平年差+2.4℃)(いずれも速報値)となっており、解析値のある1982年以降の7月の海面水温としては最も高くなりました(図2)。

今後の見通し

   日本海北部・南部、北海道南東方では、今後も8月下旬にかけて海面水温が平年よりかなり高い状態が続く見込みです(図3)。これらの海域では、平年では8月中旬から9月上旬にかけて海面水温が最も高くなる時期となりますので、今後の水産業等への影響に留意してください。

その他

   最新の状況や今後の見通しについて、日本近海の海面水温、海面水温・海流1か月予報をご覧ください。

参考資料

図2 日本海北部、日本海南部、北海道南東方の7月の月平均海面水温の推移

図2 日本海北部、日本海南部、北海道南東方の7月の月平均海面水温の推移

図3 日本海北部、日本海南部、北海道南東方の海面水温の実況と予測の推移

図3 日本海北部、日本海南部、北海道南東方の海面水温の実況と予測の推移

青点線が過去の水温、赤太線が今後の予測、赤細線が平年値を示し、桃色の縦線が7月29日を示しています。

表:日本海北部、日本海南部、北海道南東方の7月の月平均海面水温が高かった年

順位日本海北部日本海南部北海道南東方
12021年22.6℃2021年25.7℃2021年17.7℃
22014年20.7℃2017年24.3℃1998年16.9℃
32010年20.1℃2001年24.1℃1984年16.8℃

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