オホーツク海の海氷分布(月概況)
平成18年1月5日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2005年12月)
2005年(平成17年)12月のオホーツク海の海氷面積は、1971年の統計開始以来最小レベルの小ささで経過しました。12月の半ばには過去最小値を更新し、12月31日時点では過去2番目に小さい状態となりました。12月31日時点の海氷面積の過去最小値は1975年の24.94万平方kmですが、2005年は27.07万平方kmとそれに次ぐ小ささでした。
しかし、1月3日現在、海氷の南端位置はほぼ平年並となっており、北海道のオホーツク海沿岸で流氷が最初に観測される「流氷初日」は、平年並の1月下旬となる見込みです。
オホーツク海海氷分布図(速報値)(2005年12月30日)
白い領域が海氷域であり、赤い線は平年(12月31日)の海氷縁です。
解説
海氷が少ない原因
今シーズン、オホーツク海の海氷が今のところ少ない状態で経過しているのは、次の2つの要因により、初期の結氷、海氷域の拡大が遅れたことが原因と考えられます。
(1) オホーツク海周辺の気温が秋以降高めに経過していること。特に海氷が広がり始める11月に、平年の値を全域で2℃、北西部では 4℃以上も上回ったこと。
(2) オホーツク海の海面水温が秋以降、北西部を除いて高めに経過していること。
北海道での流氷初日の見通し
12月中旬まではサハリン東岸の海氷域の南下は平年より遅れていましたが、その後南下のペースが早まり、1月3日現在、サハリン東岸の海氷域は平年より小さいものの、南端は北緯47.0度とほぼ平年並の位置となっています。向こう1か月間の予想では、オホーツク海南部の気温は平年より低くなり、水温は平年並に近づく見込みで、北海道のオホーツク海沿岸で流氷が最初に観測される「流氷初日」は平年並の1月下旬となる見込みです。