オホーツク海の海氷分布(月概況)
平成18年4月5日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2006年3月)
オホーツク海の海氷域面積は、2月下旬に一時的に縮小しましたが、3月上旬は拡大し、3月10日に今シーズンの最大となりました。3月を通して海氷域面積は平年よりかなり小さく経過しました。最大海氷域面積は90.30万平方kmで、1971年の統計開始以来、1984年の85.81万平方kmに次いで2番目の小ささとなりました。
北海道オホーツク海沿岸で流氷が最後に観測される「流氷終日」は、紋別で統計開始以来2番目の早さ(2月20日)、根室で3番目の早さ(3月5日)となりました。
3月末に流氷は西に流され、一部は日本海に流出しました。
オホーツク海海氷分布図(速報値)(2006年3月31日)
白い領域が海氷域であり、赤い線は平年(3月31日)の海氷縁です。
解説
オホーツク海の海氷域面積は、2月下旬に一時的に縮小しましたが、3月上旬は、オホーツク海上空に寒気が入り気温が低下したため海氷域面積が拡大し、10日に今シーズンの最大となりました。
3月中旬以降は、低気圧が次々とオホーツク海を通過し、オホーツク海北・中部(北緯50度以北)では東よりの風の吹く日が多かったため、海氷が沿岸方向へ吹き寄せられて海氷域面積が縮小しました。
また、3月中旬以降は、オホーツク海南部では、低気圧に向かって暖気が流れ込んだ日が多かったため、海氷の融解が進み海氷域面積が縮小しました。
3月を通して海氷域面積は平年よりかなり小さく経過し、今シーズンの最大海氷域面積は1971年の統計開始以来2番目の小ささとなりました。
北海道周辺の流氷の動き
北海道周辺の気温が平年より高く経過したため、流氷は平年より早く沖合いに後退し、「流氷終日」は紋別で平年より44日早い2月20日(1956年の統計開始以来2番目の早さ)、根室で平年より28日早い3月5日(1946年の統計開始以来3番目の早さ)となりました。国後水道、珸瑣瑟(ごようまい)水道から太平洋への流氷の流出は3月上旬になくなりました。
月末には低気圧が発達しながら北海道付近を通過し、強い東よりの風が持続したため、流氷は西に流され、一部は日本海に流出し、4月になって宗谷地方の沿岸に接岸しました。
向こう1か月間の予想では、北海道周辺の気温は平年並(3月31日発表「北海道地方1か月予報」)、水温は平年より低い見込み(3月20日発表「海面水温・海流月予報」)です。4月5日現在、宗谷地方の沿岸に接岸している流氷は沖合いに後退し、再び北海道周辺に接近する可能性は小さい見込みです。また、日本海への流出の可能性はありますが、太平洋への流出はないでしょう。