オホーツク海の海氷分布(月概況)

平成19年2月5日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2007年1月)

 オホーツク海の海氷域面積は、1月上旬に一時的に平年より小さくなりました。それ以降はほぼ平年並に戻っていましたが、月末には平年より小さくなりました。
 北海道周辺の海氷域面積はほぼ平年並となっており、北海道オホーツク海沿岸で流氷が最初に観測される「流氷初日」は、網走で平年より2日早い1月18日、紋別で平年より4日遅い1月26日となりました。一方、1月下旬には、流氷が根室海峡へ平年よりやや早く流入し、また、宗谷海峡から日本海への流出もみられました。
オホーツク海海氷解析図

オホーツク海海氷分布図(速報値)(2007年1月30日)
白い領域が海氷域であり、赤い線は平年(1月31日)の海氷縁です。

解説

オホーツク海全体の海氷の状況
 オホーツク海の海氷域面積は、1月上旬の後半はほとんど増加せず、一時的に平年より小さくなりました。これは、関東から三陸沿岸を北上しているときに短時間に急速に発達した低気圧が、1月8日ごろ、オホーツク海東方に到達したことで、オホーツク海北西部やサハリン東岸で強い北よりの風が吹き、海氷を陸側へ吹き寄せたためと考えられます(北半球では、海氷は風下から30~40度右へそれて流れることが知られています)。それ以降は、オホーツク海の海氷域面積はほぼ平年並に戻っていましたが、月末には平年より小さくなりました。

北海道周辺の流氷の動き
 北海道周辺の海氷域面積はほぼ平年並となっており、北海道オホーツク海沿岸で流氷が最初に観測される「流氷初日」は網走で平年より2日早い(昨年より5日早い)1月18日、紋別で平年より4日遅い(昨年より14日遅い)1月26日となりました。一方、1月下旬には、北海道周辺の流氷の分布が一時的に東に偏り、平年よりやや早く流氷が根室海峡へ流入しました。また、アニワ湾の流氷の一部も一時的に宗谷海峡から日本海へ流出しました。
 2月2日発表の天候の1か月予報では、2月の北海道周辺の気温は、寒暖の変動が大きいものの、平年並か平年より高いと予想されています。一方、1月22日発表の海面水温・海流月予報では、2月のオホーツク海の北海道周辺の海面水温は平年並と予想されています。1月末現在、北海道周辺の海氷域面積はほぼ平年並となっており、網走と紋別の「流氷接岸初日」はともに平年並の2月上旬となるでしょう。根室の「流氷初日」は平年並の2月中旬となる見込みです。また、太平洋への流出の規模は平年並となり、宗谷海峡から日本海へ流出する規模は小さいでしょう。

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