オホーツク海の海氷分布(月概況)

平成19年3月5日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2007年2月)

 オホーツク海の海氷域面積は、2月を通じて、平年よりやや小さく推移しました。
 北海道周辺の海氷域面積は、1月末以降、平年より小さくなっています。網走では平年より15日遅い2月16日、紋別では平年より25日遅い3月2日、それぞれ流氷接岸初日を迎えました。稚内、根室では、流氷初日を迎えていません(平年は、それぞれ、2月10日、2月13日)。一方、知床半島には、1月中旬以降、流氷が度々接岸しています。
オホーツク海海氷解析図

オホーツク海海氷分布図(速報値)(2007年2月27日)
白い領域が海氷域であり、赤い線は平年(2月28日)の海氷縁です。

解説

オホーツク海全体の海氷の状況
 オホーツク海の海氷域面積は、2月を通じて、平年よりやや小さく推移しました。これは、オホーツク海南部では、1月末以降、気温が高く、海氷域の拡大が抑制されているためだと考えられます。一方、オホーツク海北部の海氷域面積は、ほぼ平年並で推移しています。

北海道周辺の流氷の動き
 北海道周辺の海氷域面積は、1月末以降、平年より小さくなっています。これは、北海道が暖冬傾向で、北海道周辺に流氷が南下してきてもすぐに融解しているためだと考えられます。今冬は冬型の気圧配置となる日が少なく北よりの風が弱いことなどもあり、北海道オホーツク海側のいたるところで流氷接岸、という状況になっていません。このため、網走では平年より15日遅い2月16日、紋別では平年より25日遅い3月2日、それぞれ流氷接岸初日を迎えました。また、稚内、根室では、流氷が最初に観測される流氷初日を迎えていません(平年は、それぞれ、2月10日、2月13日)。一方、知床半島には、1月中旬以降、流氷が度々接岸しています。
 3月2日発表の天候の1か月予報では、3月の北海道周辺の気温は、1週目は平年並と平年より高い確率が、2週目は平年より低い確率が、3~4週目は平年並の確率が、それぞれ最も高くなっています。一方、2月28日発表の海面水温・海流の1か月予報では、3月の北海道太平洋岸、宗谷海峡を含む北海道西方海上の海面水温はともに平年並か平年より高いと予想されています。紋別と網走の海明けは平年並の3月中旬から下旬となるでしょう。根室海峡へ流入する流氷は小規模で、根室で流氷が観測される可能性は低いでしょう。また、日本海や太平洋へ流出する流氷の規模も小さく、稚内と釧路で流氷が観測される可能性は低い見込みです。

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