オホーツク海の海氷分布(月概況)

平成19年4月5日発表
気象庁 地球環境・海洋部

診断(2007年3月)

オホーツク海の海氷域面積は、1月まで概ね平年並みに経過しましたが、2月以降は平年より小さい状態で推移してきました。3月5日に今シーズンの最大値107.28万平方kmを記録しましたが、その後急激に減少し、3月中旬には一時的に、この時期としては過去最小の水準に近い状態となりました。
3月2日に紋別で流氷接岸初日となりましたが、オホーツク海南部の流氷は北海道オホーツク海沿岸から大きく後退し、紋別では3月6日(平年より10日早い)、網走では3月7日(平年より17日早い)に海明けとなりました。

オホーツク海海氷解析図

図1 オホーツク海海氷分布図(2007年3月30日速報値)
白い領域:海氷域、赤い線:平年(3月31日)の海氷縁

解説

オホーツク海全体の海氷の状況

オホーツク海の海氷域面積は、1月まで概ね平年並みに経過しましたが、2月以降は平年より小さい状態で推移してきました。3月5日に今シーズンの最大値107.28万平方kmを記録しましたが、その後急激に減少し、3月中旬には一時的に、この時期としては過去最小の水準に近い状態となりました。これは、オホーツク海南部で非常に発達した低気圧の影響でオホーツク海に暖気が入り、特に北部の海氷の融解が進んだこと、強い東よりの風によって海氷が陸側に吹き寄せられたことが原因と考えられます。

北海道周辺の流氷の動き

3月2日に紋別で流氷接岸初日となりましたが、オホーツク海南部の流氷は、発達した低気圧の影響で北海道沿岸から大きく後退し、紋別では3月6日(平年より10日早い)、網走では3月7日(平年より17日早い)に海明けとなりました。その後、中旬には再び冬型の気圧配置となり、海氷の一部が北海道沿岸に近づきました。 しかし今シーズンはまだ、稚内、根室で流氷が観測されていません。また、オホーツク海から太平洋へ海氷が流出する現象も観測されていません。

3月30日発表の天候の1か月予報では、4月の北海道の天気は数日の周期で変わり、気温は、1週目と2週目は平年並、あるいは平年より低くなる確率が高く、3~4週目は平年並となる確率が高くなっています。 3月30日発表の海面水温・海流の1か月予報では、4月の北海道オホーツク沿岸、宗谷海峡を含む北海道西方海上の海面水温は、ともに平年より高くなると予想されています。流氷終日は、紋別では4 月上旬(平年並)、網走でも4 月上旬(平年より早い)となる見込みです。また、流氷が宗谷海峡から日本海へ小規模に流出する可能性がありますが、太平洋への流出はない見込みです。

このページのトップへ