オホーツク海の海氷分布(月概況)
平成26年5月9日発表
気象庁 地球環境・海洋部
診断(2014年4月)
北海道周辺では4月30日時点で海氷が残っています。 太平洋へ流出した海氷は4月下旬には襟裳岬の南東約100キロメートル(北緯41度30分付近)まで南下し、1971年以来、4月としては最も南に達しました。
4月30日 |
3月31日
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4月5日
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4月10日
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4月15日
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4月20日
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4月25日
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4月30日
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オホーツク海の海氷分布の経過(2014年4月)
赤線は平年(1981年から2010年の平均)の海氷縁です。
下段の分布図の上にカーソルを置くと、上段に拡大図が表示されます。
解説
オホーツク海全体の海氷の状況
オホーツク海北部・中部では気温が平年より高く経過したため、海氷域の縮小が進みましたが、南部では気温が平年より低く経過したため、海氷の融解が遅れ、海氷域は平年に比べて広い状態が続きました。 オホーツク海全域の海氷域面積は、4月を通して平年より小さく経過し、4月20日には同時期としては1971年の統計開始以来最小となりました。
北海道周辺の流氷の動き
北海道周辺では4月上旬から中旬にかけて気温が平年より低く経過したため、海氷の融解が遅れました。北海道オホーツク海沿岸では、サロマ湖の東から知床半島にかけての海岸の所々で海氷が接岸しました。 また、北よりの風の日が多かったため、珸瑶瑁(ごようまい)水道(※1)からは4月上旬から中旬にかけて、国後水道(※2)と択捉海峡(※3)からは4月を通して海氷が太平洋に流出し続けました。 また、釧路沖で海面水温が平年より低い状態が続いたため、4月下旬には太平洋に流出した海氷が襟裳岬の南東約100キロメートル(北緯41度30分付近)まで南下し、 現在の手法による海氷解析の開始(1971年)以来、4月としては最も南に達しました。 なお、稚内では、2月28日に平年より12日早い流氷終日となりました。
※1 珸瑶瑁(ごようまい)水道 :北海道根室半島の納沙布岬と、歯舞群島の水晶島との間の水道。
※2 国後水道 :国後島と択捉島の間の水道。
※3 択捉海峡 :択捉島とウルップ島の間の海峡。