オホーツク海の海氷分布(月概況)

令和2年4月10日発表
気象庁 地球環境・海洋部

診断(2020年3月)

オホーツク海の海氷域面積は、3月上旬と中旬は平年並、下旬は平年より小さく経過しました。稚内では平年より21日遅い3月6日に流氷初日となりました。

海氷分布図(オホーツク海全体) 海氷分布図(北海道周辺)
3月31日
2月29日の海氷分布図
2月29日
3月5日の海氷分布図
3月5日
3月10日の海氷分布図
3月10日
3月15日の海氷分布図
3月15日
3月20日の海氷分布図
3月20日
3月25日の海氷分布図
3月25日
3月31日の海氷分布図
3月31日

図1 オホーツク海の海氷分布の経過(2020年3月)
赤線は平年(1981年から2010年の平均)の海氷縁です。
下段の分布図の上にカーソルを置くと、上段に拡大図が表示されます。


オホーツク海の海氷域面積(2019年11月~2020年03月)
年別経過図の凡例

図2 オホーツク海の海氷域面積(2019年11月~2020年03月)

解説

オホーツク海全体の海氷の状況

3月上旬は冬型の気圧配置が長続きせず、寒気の吹き出しが弱かったため、オホーツク海全体の海氷域面積は徐々に減少しましたが、平年並の範囲内で推移しました。3月中旬には発達した低気圧の影響で海氷域が一時的に拡大しましたが、3月下旬には南からの暖気の流入で海氷の融解が急速に進み、オホーツク海全域の海氷域面積は平年より小さくなりました。
今シーズンのオホーツク海の最大海氷域面積は、2月29日に記録した105.61平方キロメートルで、最大海氷域面積としては平年より小さい値でした。

北海道周辺の流氷の動き

3月上旬は低気圧の影響で東風の吹く日が多く、海氷は北海道オホーツク海側の広い範囲で接岸しました。海氷の一部は宗谷海峡から日本海に流出し、稚内では3月6日に平年より21日遅く流氷初日となりました。3月中旬から下旬にかけては、海氷は次第に融解しながら東へ移動しました。そのため、北海道オホーツク海側では海氷が離岸する所が多くなり、網走では3月16日に平年より4日早く海明けとなりました。また、海氷の一部は月を通して国後水道(※1)から太平洋へ流出し、3月下旬には択捉海峡(※2)からも太平洋に流出しました。

※1 国後水道:国後島と択捉島の間の海峡
※2 択捉海峡:択捉島とウルップ島の間の海峡

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